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「離婚は大人の問題」と思われがちですが、実は最も影響を受けるのは子どもかもしれません。特に30代で子どもを持つ家庭にとって、離婚と親権の決断は生活を根底から揺るがす重大な選択になります。厚労省の統計でも、未成年の子どもがいる状態での離婚は年々増加傾向にあります。しかし「親権は母親が取るもの」といった常識は、今も本当に通用するのでしょうか?収入や働き方、住んでいる地域――。それらが実は親権の行方に大きく関係していることが、今回の調査と分析で見えてきました。
この記事では、実際の離婚協議書データをもとに、親権と収入・雇用形態の関係、子どもの年齢による離婚タイミング、さらには都道府県による違いまで、リアルな統計と図表で解き明かしていきます。
数字の裏にある「家族のかたち」を、いっしょに見ていきましょう。
離婚にふみきる時はこちらご活用ください。
Contents
データで見る親権の実態:妻が有利って本当?
離婚の際、親権は「基本的に母親が持つもの」と思われがちです。実際、家庭裁判所の過去の統計でも、母親が親権を持つ割合は7〜8割前後で推移しています。
ですが、果たしてそれは“性別による当然の帰結なのでしょうか?
今回、離婚協議書データをもとに、夫婦それぞれの年収や雇用形態と親権者の関係を分析したところ、「妻が有利」という通説には少し違った一面が見えてきました。
年収で見る親権者の傾向
まず、親権を持つ人の夫婦年収に注目してみましょう。
収入に外れ値を除いたうえで、親権者が夫と妻であるケースにおける夫・妻それぞれの年収の分布をボックスプロットで確認しました。


その結果、次のような傾向が見えました:
- 親権を夫が持つ場合、夫の年収は平均602万円、中央値500万円と高め
- 一方、親権を妻が持つ場合でも、夫の年収は約497万円(平均)、432万円(中央値)と大きくは変わりません
- 親権を妻が持つ家庭でも、夫はそれなりの経済力を持っていることが多い
では、妻の年収はどうでしょうか?
- 妻が親権者である場合、妻の年収の平均は182万円、中央値は150万円
- 対して夫が親権者である場合の妻の年収は、平均174万円、中央値130万円
つまり、妻が親権を得るケースでは、妻自身の年収もやや高い傾向にあります。
雇用形態(正社員かどうか)との関係
年収とあわせて注目すべきは、「雇用形態」です。正社員か、それ以外かという点が、安定的な養育環境を築けるかどうかの指標として重視されるためです。
今回の分析では、正社員率を雇用安定度として集計しました。
- 親権を夫が持つ家庭では、夫の正社員率が87.6%、妻が70.1%
- 親権を妻が持つ家庭では、夫の正社員率が84.6%、妻が72.9%
つまり、妻が親権を得るケースでも「正社員として安定的に働いている」ことが多く、扶養される専業主婦=親権を得やすいという神話は崩れつつあると言えます。
親権の決定は“属性ではなく“環境の総合評価へ
これらのデータは、親権が「自動的に妻に渡る」時代から、「どちらが安定した育児環境を築けるか」という相対評価の時代に変わりつつあることを示しています。
また、夫側の収入や雇用の安定性が高くても、親権を妻が得るケースが大半であることからは、育児実績や家庭内の実態が意思決定に強く影響していることもうかがえます。
「自分が親権を持てるか?」を考える時のヒント
本記事を読んでいる方の中には、「自分が親権を持てるのだろうか?」と不安に思っている方もいるかもしれません。
今回の統計から考えられるチェックポイントは以下のとおりです:
- 子育ての主担当はどちらだったか?
- 安定した収入源(できれば正社員)はあるか?
- 住居や教育環境の維持が可能か?
- 離婚後も子どもとの関係を保てる状況か?
このような“実際の生活に即した安定性が、親権判断において最重要視される傾向にあることが、データからも読み取れます。
離婚のタイミングは“子どもが小学校に上がる前?
「子どもが小学校に上がる前に、夫婦関係をどうするか決着をつけたい」
そんな声を、実際に私たちのサービスでもよく聞きます。
とはいえ、それは感覚的な印象に過ぎないのでしょうか?
今回の分析では、1人目の子どもがいる家庭に絞って、「離婚が成立した時点でその子どもが何歳だったのか」を算出しました。
その結果、驚くほど明確なパターンが浮かび上がってきました。
離婚件数のピークは「1歳」と「6〜7歳」
まずはこちらのグラフをご覧ください。

これは、1人目の子どもが何歳のときに両親が離婚していたかを年齢ごとにカウントしたものです。
最も多かったのは、1歳:86件、次いで2歳:75件。
これは育児初期のストレスや睡眠不足、生活リズムの変化などで、夫婦間の摩擦が増える時期に重なります。
そして注目すべきは6歳(66件)と7歳(62件)というピーク。
これはまさに、子どもが小学校に入学する時期と一致しています。
「入学前に区切りをつけたい」心理的・制度的背景
なぜこのタイミングで離婚が増えるのでしょうか?
理由は複数あると考えられます:
- 就学に伴う生活の変化:学校区・引っ越し・転校などの手続きは、家庭の在り方と密接に関わります。
- 進学前に“家庭のかたちを確定させたい心理:子どもの学校生活に影響が出ないよう、入学までに協議を済ませようとする親は多いです。
- 親権・名字・住民票といった制度的な要因:入学時点での戸籍名・住所の安定が重視されるため、離婚を先送りしづらくなる。
また、「保育園→小学校」で親子関係が変化することへの不安が、夫婦間の考え方の違いを浮き彫りにする契機にもなりえます。
離婚=不幸ではなく、“人生の再設計のタイミング
グラフでは0歳から14歳程度まで、子どもの年齢に応じて離婚件数がそれなりに分布していることが分かります。
つまり、離婚は「突発的な出来事」ではなく、「人生の段階ごとに選ばれる選択肢」となってきているのです。
その中でも小学校入学前のタイミングは、夫婦が家庭の形を見直す「現実的かつ社会的な節目」として、自然な判断点になっていると言えます。
「小1の壁」ではなく、「小1前の決断」が増えている
共働き家庭で話題になる「小1の壁」は、親が働き続ける上での課題として知られています。
しかしこのデータが示すのは、“小1の壁が来る前に、夫婦としての在り方を見直す人が多いという現実です。
家庭内の葛藤を先送りにせず、「入学までに環境を整える」という意識が、子どもにとっても親にとっても健全な選択である可能性は十分にあります。
実は地域でも親権の取りやすさが違う?
「親権は収入や雇用形態で決まる」――前の章ではそんな傾向をデータで見てきました。
しかし、実はもう一つの“見えざる要因が存在します。それが、地域差です。
「親権の取りやすさに地域なんて関係あるの?」と思うかもしれませんが、実際のデータを集計すると、都道府県ごとに親権者の偏りがあることが明らかになりました。
都道府県別:妻が親権を得る割合の実態
以下の図は、都道府県ごとに「妻が親権を得た割合」を算出し、多い順に並べたものです。

最も妻が親権を得る割合が高かったのは青森県(100%)。
その後も、新潟県(94.4%)、滋賀県(93.8%)、岐阜県(93.3%)など、9割を超える県が複数存在します。
一方で、和歌山県ではわずか25%、山梨県は37.5%、福井県や熊本県などでも50%未満という結果が見られました。
これは決して無作為なばらつきではなく、地域ごとに「親権者として選ばれやすい傾向」が異なる可能性を示唆しています。
地域差はどこから来るのか?
この「地域による偏り」は、以下のような複数の要因が絡んでいると考えられます:
- 地域文化・家族観の違い→ 地方では「家を継ぐ」という意識が根強く、子どもを“家の跡取りと見なす傾向が強い地域も。
- 地元の裁判所や調停の運用方針の差→ 法律は全国共通でも、現場での調停委員や弁護士の運用姿勢に違いが出ることもあります。
- 雇用・経済状況の差→ 妻の正社員率が低い地域では、経済的理由から夫に親権が渡るケースが相対的に増えることも。
もちろん、これらはあくまで推測であり、個別の事情がすべてを決定づけることは間違いありません。
しかし、「全国どこでも同じルールが機械的に適用されている」という認識は誤りである可能性が高いのです。
東京・大阪など都市部の傾向は?
首都圏に目を向けてみると、東京都では妻の親権割合は70.2%、神奈川県が69.1%、埼玉県が68.9%と、全国平均よりやや低め。 一方で大阪府は73.9%と高めでした。
これは、都市部では夫婦共働きの割合が高く、妻の収入や雇用の安定度が比較的高いことと無関係ではなさそうです。
また、裁判所の判断も、個別事情や育児実績を重視する傾向が強く、単に「母親だから親権」とはなりにくいという現場の声もあります。
地域を知ることで“戦略が変わる
離婚協議や親権争いにおいて、地域の傾向を知ることは決して無意味ではありません。
たとえば:
- 夫側が親権を希望している場合、過去の地域傾向を参考に、交渉戦略や弁護士選定を慎重に行う。
- 妻側であっても、地元での親権取得率が低い場合、就業状況や育児実績を可視化して主張を強める。
こうした“自分の地域の傾向を踏まえた準備こそが、後悔しない離婚と親権選択につながるのです。
まとめと次の一歩:納得できる親権と離婚のために
離婚は、人生の再出発であると同時に、「親としての役割」を再定義する瞬間でもあります。
特に子どもがいる場合、誰が親権を持ち、どのように育てていくのか――これは感情だけでなく、生活力や環境、そして地域の現実まで考慮して判断されるものです。
私たちが今回のデータ分析で見えてきたのは、以下のような現実でした:
- 親権は必ずしも妻が取るとは限らない。収入や雇用の安定性も重要な判断材料。
- 子どもの小学校入学前(6〜7歳)に、離婚が増加する傾向がある。
- 地域によって、親権者の傾向に偏りがある。
これらは単なる数字ではありません。ひとつひとつの統計の裏には、それぞれの家族の悩み、話し合い、そして選択があったはずです。
だからこそ、あなたの離婚が“他人の統計に流されることなく、納得のいくものになることが何より大切です。
そのためには、自分の現状を客観的に把握し、言語化し、相手と共有できる準備が不可欠です。
もしもあなたが、今まさに親権や財産、生活設計をめぐって悩んでいるのなら、まずは冷静に可視化された協議書を通じて、現実を見つめ直すことから始めてみませんか?
法的な視点だけでなく、子どもと自分の未来を見据えた「次の一歩」を、一緒に考えていきましょう。
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